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配車アプリの新しい用途を発見した話 - USA -

No.504/2019.12
法務部/ 渡辺 陽介
画:クロイワ カズ

法律研修のためロー・スクールに留学、その後ニューヨークの弁護士事務所で研修を受け、今年5月に帰国しました。帰国直前の4月、マンハッタンで少し飲んだ後、配車アプリでタクシーを呼び、ニュージャージーの自宅に帰ったのですが、車の中にスマホを忘れたことに気付きました。もう古い機種でそろそろ新しくする予定でした。スマホ自体は要らないけれど、アドレス帳などの入力データだけは是非とも必要です。

先ず、新しいスマホを入手。早速、位置検索アプリ(GPS)を使って、落とし物タグを付けてある古いスマホの現在地を調べました。すると、ブルックリン地区にあることが分かりました。この位置情報だけを頼りにスマホを取り戻す方法を思案している間に、家にあるPCにウーバーからメールが入っているのに気が付きました。「ウーバー」は配車アプリの最大手。私のスマホにはそのアプリが入っています。配車アプリの登録をするとき、住所、電話、クレジットカードの番号など詳細なデータをすべて伝えてあるので、先方から落とし物情報の連絡が来たようです。「グレート・ニュース!」で始まり、スマホが見つかったこと、その車の運転手の名前、電話番号などがあり、「直接コンタクトして下さい」で終わっています。教えて貰った番号に電話をかけると、直ぐにあの時の運転手が出ました。お礼方々、どうすればスマホを返してもらえるか相談しました。

「簡単だよ。俺の車で見つかったのだから、俺がお宅に届けますよ」といいます。チップとして100ドル払うことも決まり、「OK。じゃ頼むよ」と、電話を切りました。

その日の夕方、玄関のチャイムが鳴り、あの時の運転手が笑顔で古いスマホを届けてくれました。

配車アプリの新たな利便性の発見でした。