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4年間の中国生活で学んだ3つの長所 - CHINA -

No.510/2020.06
堺工場次長/ 雪本 和則
画:クロイワ カズ

江蘇省の張家港に4年間駐在し、昨年4月に帰国しました。その間、毎日の生活から現地の中国人たちの習慣を見ていて、3つのことに感心させられました。

1つは孟子の教えとされる「長幼の序」、特に、子供が親を敬うことです。現地会社の中国人たちは、長期休暇には実家に帰り、親に小遣いをあげて親孝行するといいます。私は彼らを見ていて、これまでの自分の両親に対する態度を猛省し、気持ちを入れ替えた今は感謝の気持ちで両親に接することができるようになりました。

2つ目は、健康に対する気遣いです。中国人は、徹底して身体を冷やさないように努めます。身体が冷えると内臓の働きが不活発になるからです。私は、生来、腸が弱く、特に辛い中国料理を食べ、冷たいビールを飲むとテキメンに下痢をします。そこで、ビールは冷やさずに飲む。更に、スーパーで見つけたカイロを腹部に貼ってみました。すると、腸の調子がすごく良くなりました。

3つ目は、夕食後の体操です。夕方、街を歩いていると、女性たちが公園で踊っている光景をよく見かけます。リーダーがラジカセで音楽をかけ、皆がそれに合わせて踊るのです。中には、男たちも加わってフォークダンスをしているグループもあります。踊りに加わらない男性は、ジョギングや散歩で時間を過ごします。彼らはこの時間を確保するために夕食を5時頃に食べます。とても健康的な過ごし方だと思います。日本では、5時の夕食は難しいですが、食事の後はボーッとテレビを観るのではなく、せめて表に出て身体を動かしたいものです。

張家港は、中国の県級都市の「住みやすさランキング」で4位に入ったこともある都市で、外国人の私にも非常に住みやすく、中国人の良き慣習に触れながら、駐在員生活を送ることが出来たのは、とても幸せでした。