MENU

大病院をハシゴして肺炎を治した話 - CHINA -

No.394/2010.10
資源リサイクル事業部/ 佐々木 静次
画:クロイワ カズ

もう25年も前の話です。当時の中国は近代化の波に乗り、開放政策で海外から機械設備をどんどん輸入しようとしていました。機械のセールスマンだった私は、厳寒の2月、商談のためハルピンを訪れました。

風邪気味で日本から薬を持参しましたが、商談が長引き、薬も切れて発熱。商社の方に連れられてハルピン最大の病院へ。ソ連の援助でできた古い建物でエレベータはなく、這うようにして階段を4階まで登りました。即刻診察かと思いきや、医師は病院の歴史を説明します。我慢して聞いていましたが、説明は長々と続き、苦しくて息も絶え絶え。様子を察したのか、漸く診察です。聴診器をあてた途端、肺炎の一歩手前と診断され、漢方薬を処方してもらいました。疑心暗鬼で飲んだところ、翌日には熱も下り嘘のように回復。凄い名医に違いないと聞いてみると、専門は接骨医とか。

2週間余り滞在したハルピンともお別れ。折角だからと、凍結した松花江に出かけました。マイナス20度でも湿気がないので寒さを感じません。スケートに興がのって長居をしてしまいました。案の定、その夜再び発熱。

翌日、無理をして帰途に着きました。ハルピンから北京への直行便はなく、瀋陽で乗り換えです。暖房のない待合室で、ガタガタ震えながら、もうダメかと思いました。深夜に北京に着き、翌朝、死ぬ思いで病院へ。今度は日本が建てた新しい病院でした。エレベータで診察室へ。迎えた女医さんが、また病院の歴史の説明です。もう勘弁してよ、と大げさに苦しみを表現(ホントに苦しかったのです)。女医さんは入念に診察して、お尻に大きなペニシリン注射!効果はテキメンで翌日は元気になりました。中国で大病院をハシゴして肺炎を治したことがチョッピリ自慢です。