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本場のフォーを食べ損なった話 - VIETNAM -

No.427/2013.07
ポリマー開発センター/ 佐野 英男
画:クロイワ カズ

2年前の7月、ホーチミンの客先に1泊2日の出張が決まりました。ベトナムは初めての国。本場のフォーを是非食べてみようと心に決めました。

福岡から直行便で5時間。昼過ぎにタンソニャット空港に到着し、2時前にホテルに入りました。その日はフリー、時間はタップリあります。1人で市内観光へ。旧サイゴンの街並みは散策に最適。街の中心、ドンコイ通りはホーチミンのシャンゼリゼと呼ばれるお洒落スポット。近くにはレストランも軒を連ねています。空腹を覚えて、夕食を取ることに。フォーの店を横目に見ながら機内誌で紹介されていた店に入りました。フォーは楽しみに取っておこうと思ったのです。

店を出ると猛烈な雨。7月は雨期とは聞いていたのですが、傘の用意がありません。ホテルまで歩いて帰ることに…。川のようになった道路をスクーターが猛スピードで走ります。全身ずぶ濡れ、靴の中まで泥だらけ。スーツはあるのですが、替えの靴がありません。ホテルの浴室で泥を洗い流し、ヘアドライヤーで乾かしました。

翌朝、ゴワゴワの靴で客先へ。肝心の仕事もうまく行かず、一旦帰国して出直すことにしました。

空港には夜8時に到着。私のフライトは真夜中なので、目の前の百貨店に立ち寄ることにしました。が、車が多い上に横断歩道がありません。勇を鼓して車の間を縫うようにして入りました。食堂街を覗いてみるとフォーの店が!

でも、子どもが大勢いて大混雑。先に買物を済ませ戻ってみると、タッチの差でクローズド。仕方なく恐怖の道路を渡って空港に引き返し、ハンバーガースタンドで寂しい夕食。

仕事もフォーも目標達成ならず、雨に降られるは、帰りの機内では気分が悪くなるはで、散々な出張でした。