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合理的な結婚式に感心した話 - U.S.A. -

No.464/2016.08
研究開発本部医薬研究所/ 大沼 和弘
画:クロイワ カズ

スタンフォード大学の医学部に派遣留学していたときのこと。2年前の8月、ラボの友人でテニス仲間のダン君の結婚式に招待されました。新婦のミミさんは、大学は異なりますが、食事仲間。彼らのやり方は日本の常識とはかけ離れていてとても興味深いです。

招待状などはなく、すべてインターネット上で行われます。招待客が決まると専用のHP(ホームページ)が開設されます。そこでは新郎新婦の生い立ちなどが紹介されますが、極めつけは新郎のプロポーズの様子がビデオ画像で流れること。まるでドラマを見るようでした。HPの最後には、「贈り物コーナー」へのリンクがあり、そちらに進むと、新郎新婦が希望する品物がリストで表示されます。25ドル程度から数百ドルのものまでが並んでいて、招待客が予算に合わせて選ぶことができます。1つの品物が選択されると、「済み」の表示が出るので贈りものの重複はありません。私は100ドルの食器セットを選びました。代金は画面上でカード決済され、品物は彼らの新居に宅配されます。

披露宴はサンノゼ近郊のサラトガにあるキャンプ場を借り切って行われました。オープンエア—で、緑の樹々に囲まれた会場に200人ほどが出席していました。

正面のステージでは、牧師の司会で式次第が行われますが、厳粛な中にもユーモアがあってショーを観るようです。食事コーナーでは、前菜からデザートまでがズラリと並び、好きなものをいただくビュッフェ・スタイル。食事の途中で、来客がグループごとに呼ばれ、新郎新婦と並んで記念写真が撮影されます。すべてが来客本位に進行していき、終わりは三々五々に帰って行きます。

日本の一流ホテルでの結婚式では味わえない爽やかさを満喫することができました。