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アメリカ人はマスクがお嫌いという話 - USA -

No.484/2018.04
宇部エクシモ(株)/ 高橋 俊充
画:クロイワ カズ

最初に当社製品のPRから。当社開発のUCファイバーは衛生材料用の繊維。性質の異なる二種類の樹脂を使用したコンジュゲート(複合型)繊維。不織布用途に大きな需要があり、マスクなどにも使われています。

私がアメリカ駐在となった翌々年の2009年、メキシコを発生源とする新型インフルエンザが大流行しました。感染は世界に拡がって行き、その年の6月にはWHO(世界保健機関)がパンデミック(世界的大流行)の最大フェーズである『フェーズ6』を宣言しました。

日本的感覚からすると、感染予防にはマスクというのが常識です。が、アメリカの薬局には日本式のマスクはありません。あるのは外科医が手術の時に使う大きな使い捨てのマスクだけ。偶々、日本からの出張者に頂戴した日本製マスクが家にあり、翌日それを着けて出社しました。が、どうも様子が変です。

先ず、顔なじみの受付嬢が驚いた表情で私を見ます。28階にあるオフィスに行くのにエレベーターに乗ると、何人かの人が私を見て素早く降りてしまいました。数人の顔見知りも私が挨拶しても下を向いたまま。どうやら私が感染者だと思われたようです。

オフィスで、そのことをローカルスタッフに話すと、アメリカではマスクを着けている人は病人で、健康な人はマスクなど着けないのだ、と聞かされました。

『病気にならないためにマスクを着ける』というコンセプトがアメリカにも早く定着してほしいものです。当社のUCファイバー拡販のためにも—。