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勘定を一ケタ間違われた話 - GERMANY -

No.493/2019.01
CSR・総務部 総務・広報グループ/ 先田 督裕
画:クロイワ カズ

「Kメッセ」はドイツ・デュッセルドルフで3年に一度開催される、世界最大級のプラスチック・ゴムの見本市。当社は1992年から継続して出展しています。当時宣伝担当の私は、まだ駆け出しの身で現地に行くチャンスはありませんでした。

その後、2002年から山口県宇部市にある、特例子会社の「リベルタス興産」に出向しました。特例子会社とは、障がい者の雇用に特別な配慮をし、一定の要件を満たした子会社のことです。この会社での8年間は私の宝になりましたが、その話は別の機会に。

2010年に古巣の宣伝担当に戻ると、タイミングよく3年後開催の「K2013」で現地に行く機会に恵まれました。「Kメッセ」は10月開催。秋とはいえ、もう肌寒いデュッセルドルフの街をあげてのイベントです。8日間というロングランの大規模な展示会。当社はナイロン、合成ゴム、ポリイミド。更に、関係会社の「宇部エクシモ」や「宇部マテリアルズ」の製品を出展しました。19ホールもある広大な展示会場は8日間でも回りきれません。あっという間に最終日です。

打ち上げは近くの中華料理。帰国を前に関係者が火鍋を囲んで大いに盛り上がりました。さて、勘定の段になり、カードで支払ったのですが、レシートをみると2550ユーロ(約40万円)! ゼロが余計です。店と交渉しますが、何故か訂正できないといいます。仕方ないので「差額の2295ユーロを後日入金する」と書いた名刺をもらいました。

帰国後は、この差額が本当に入金されるのか、気が気ではありませんでした。が、入金を確認できた時は、ホッとすると同時に、人を信じることの幸せをも体験でき、二重の喜びとなりました。