宇部興産株式会社(社長:竹下道夫)は、国内およびアジア向けのジオール製品(1,6ヘキサンジオール、1,5ペンタンジオール)につき今年5月1日以降の出荷分から値上げを行うことを決定。ユーザーとの交渉を開始する。昨年6月にタイでの新プラント(能力6,000t/年)を稼動開始後も世界的な環境志向の高まりによる需要増により、需給バランスが逼迫していることが値上げの理由。
1,6ヘキサンジオール | 国内向け | 60円/kg以上 |
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アジア向け | 1米ドル/kg以上 | |
1,5ペンタンジオール | 国内向け | 80円/kg以上 |
アジア向け | 1米ドル/kg以上 |
2012年5月1日出荷分から
1,6へキサンジオールは宇部興産のファインケミカル事業の主力製品の一つ。
その特性から高品質・高性能なポリエステル・ポリウレタン樹脂や接着剤原料などに使用され、特に近年では、環境負荷が低い材料として注目されるUV硬化型コーティング材への需要拡大も進んでいる。
世界需要が年率5~8%で伸びる中、中国を含むアジア市場は10%を超える高い成長率となっており、今後も極端に需給逼迫状況が続くと予想される。
宇部興産は、宇部市(山口)、堺市(大阪)、スペインの三拠点に加え、2011年6月にタイで6,000tの設備を稼動開始、合計約2万tの生産能力を有する。国内唯一のメーカー。