MENU

2013年社長年頭挨拶要旨

2013年1月4日

宇部興産株式会社
代表取締役社長 竹下道夫

明けましておめでとうございます。
この一年、マクロ経済は停滞が続いていますが、その中身は大きく変貌しつつあります。欧州財政問題は長期化し、中国など新興国の成長も失速しつつあり、事業環境は非常に厳しい状況にあります。
この事業環境の変調は景気循環による一時的なものではなく、市場構造の大きな変化が主たる原因と捉えています。新興国が競合相手として台頭し、その存在感を急激に増していますし、また北米を中心としたシェールガス革命は、エネルギー・石化原料の両面で先行き不透明な要因となっています。

このような状況下、中期経営計画「ステージアップ2012 -新たなる挑戦-」の数値目標は、3ヵ年トータルでみればなんとか目標に近いレベルに到達できそうです。しかし、最終年度(2012年度)の目標との比較では、30%以上下回る予想となっており、特に化学2部門(化成品・樹脂、機能品・ファイン)の落ち込みが大きいという厳しい状況をグループ全体で認識する必要があります。
財務体質は着実に改善してきましたが、収益面では、各成長戦略事業が思惑どおり伸長せず、コモディティ製品に支えられている状況は変わっていません。そのコモディティ製品の収益力も昨年から急速に悪化しています。
しかし、各事業の将来を見据えた、グローバルな視点での取組みや、地球環境問題への取組みと貢献については、この3ヵ年で着実に進展してきています。

2013年度から次期中期経営計画がスタートします。重点課題の1つとして、「グローバルでのグループ力強化」を挙げるつもりです。顧客・アプリケーション情報の共有、管理間接業務、人材活用などにおいて、海外拠点との連携を強め、グループとして、世界に広がったマーケットに順応していくことが重要です。

先進国の足踏みはしばらく続き、新興国の成長減速も顕在化しているなか、短期的に景況が変わることは難しく、今年は日本の製造業にとって、たいへん厳しい経営環境にあると言わざるを得ません。
現時点で考えることは、グループ収益の落ち込みを如何に最小限に抑えるか、に尽きます。業績が堅調な部門は貪欲に上積みを目指し、苦戦している部門は更なるコスト削減などきめ細かな対応が必要です。また、グループ全体で設備事故などの可避的損失の防止や経費の削減などの課題に、引き続き気を引き締めて取り組んでもらいたい。

UBEグループは多彩な事業群を有し、安定した基盤事業に加え、優位性のある材料技術に支えられた成長戦略事業、将来のためのシーズも多く、更なる成長のポテンシャルを有しています。要はいかに、グローバルで潜在するマーケットを掘り起こしていくか、だと思います。そのためには、グローバルなマーケティング対応、サプライチェーン全体でのコスト競争力や事業力の源泉である人材の強化が重要です。
UBEのオープンな企業風土を活かし、社員一人ひとりがチャレンジングな目標を持ち能力を最大限に発揮できる取組みを進めていけば、必ずこの厳しい時代を乗り切れます。自律の風土をグループ全体に広げ、UBEグループの更なる進化を目指しましょう。

お問い合わせ先

ニュースリリースについてのお問い合わせ