参天製薬株式会社(本社:大阪市、以下参天製薬)と宇部興産株式会社(本社:宇部市、以下宇部興産)は、緑内障・高眼圧症治療剤「エイベリス点眼液0.002%」(一般名 オミデネパグ イソプロピル、以下本剤)を日本で発売しましたので、お知らせします。
本剤は、緑内障・高眼圧症の治療を目的として、参天製薬と宇部興産が開発した点眼液です。本剤の有効成分であるオミデネパグ イソプロピルは、世界初の選択的EP2受容体作用薬で、眼圧下降作用を示す新規作用機序の化合物です。
緑内障は、視神経の障害により視野の欠損が起こる疾患で、日本における眼疾患による視覚障害(視力低下、失明)の主な原因となっています。緑内障の視神経障害および視野障害は基本的に進行性で非可逆的であるため、早期発見・早期治療による障害の進行抑制が、治療上の重要な課題です。眼圧を下降させることは、現在、緑内障の障害に対する最も確実な治療法であり、本剤はこの治療法に貢献する薬剤であると考えています。
本剤の発売にあたり、参天製薬 取締役・専務執行役員 日本事業担当兼医薬事業部長の伊藤毅は次のように述べています。「『エイベリス点眼液0.002%』は、世界初の作用機序を持つ点眼液で、眼圧下降効果においてラタノプロスト点眼液0.005%に対する非劣性が検証されています。緑内障治療の第一選択薬となりうる薬剤であり、この製品により、現在の治療におけるアンメットニーズが充足されることを期待しています。参天製薬は、これまで培ってきた国内医療用眼科薬事業での強みを生かし、適切な情報提供活動を通じて、患者さんへのさらなる貢献を目指します。」
また、宇部興産 執行役員 医薬事業部長の紺野恭史は、次のように述べています。「宇部興産は、技術革新にあふれた『クスリづくり』を地域から発信し、すべての人々の健康に貢献することを目指しています。その中でオミデネパグ イソプロピルは、当社が長年培ってきたメディシナルケミストリーおよびCMC技術が結実した成果です。これからも医療に貢献するため、新しい医薬品の種となる化合物を創出してまいります。」
今後、新たな治療選択肢として本剤を医療現場に提供するとともに、本剤の適正使用のために、安全性に関する情報を医療関係者、および患者さんにご理解いただけるよう、努めてまいります。これにより、患者さんのQOL(クオリティ・オブ・ライフ:生活の質)の向上に寄与できることを期待しています。
なお、本剤の発売による、参天製薬および宇部興産の当期業績予想の修正は、予定しておりません。
製品名 | エイベリス点眼液 0.002% |
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一般名 | オミデネパグ イソプロピル |
性状 | 無色透明、無菌水性点眼剤 |
効能・効果 | 緑内障、高眼圧症 |
用法・用量 | 1回1滴、1日1回点眼する。 |
貯法 | 気密容器、遮光、2~8℃保存 |
包装 | プラスチック点眼容器:2.5mL×5本、2.5mL×10本 |
薬価 | 1mL 945.30円 |
保険給付上の注意 | なし |
承認取得日 | 2018年9月21日 |
薬価収載日 | 2018年11月20日 |
発売日 | 2018年11月27日 |
参天製薬は、眼科に特化したスペシャリティ・カンパニーとして、医療用・一般用の医薬品や、医療機器の研究、開発、販売・マーケティング活動を行っています。世界約60を超える国・地域で製品を販売しており、国内の医療用眼科薬市場においてはNo.1のシェアを有しています。130年近くの歴史の中で培われた科学的知見や企業力を活かし、今後も、価値ある製品・サービスの提供を通じ、患者さんや患者さんを愛する人たちを中心として、社会への貢献を果たしてまいります。詳細については、当社ホームページwww.santen.co.jpをご参照ください。
宇部興産は、化学を中心として、医薬/建設資材/機械/エネルギー・環境の各事業を展開しています。その中で医薬事業は積極拡大事業の一つと位置づけ、自社/共同研究開発による「創薬」と「原薬・中間体製造」を両輪として拡大を図っています。詳細については、宇部興産ホームページhttp://www.ube.co.jpをご参照ください。
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