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「翼」第6号:環境安全部だより


環境安全部だより 物流環境大賞受賞 スーパーエコシップ 「セメントタンカー興山丸」

セメントタンカー興山丸 瀬戸内海で全速力で海上公試性能試験中の興山丸。船の後で小さな弧を描く波から船体を水平に保ったまま安定して急旋回していることがわかります。また波があまり立っていないことも興山丸が水抵抗の少ない省エネ船であることが分かります。

日本全国で排出される二酸化炭素のうち、2割は人や貨物の輸送によって放出されていますので、自動車や船の燃費を向上することは環境改善に大きな効果があります。

興山丸は従来のエンジン駆動と電気モーターによる推進を組み合わせた革新的なハイブリッド推進システムを搭載しています。その先端メカニズムに気象情報や潮流データを解析してコンピューターが最適な航路、速度を提案する新開発の航海システムを組み合わせることによって、トン・マイル当たりの二酸化炭素排出量を20パーセント削減することに成功し、日本物流団体連合会が選出する物流環境大賞を受賞しました。

また、ベテラン船員の確保が困難になってくる将来においても、安全、クリーン、迅速な輸送を行うために操船統合システムも新たに開発し、ディーゼルエンジンと電気モーターを最適なバランスで自動制御するなどの工夫を凝らしています。さらに、女性の社会進出を支援するためにこのような貨物船では類を見ないレベルで女性専用スペースも充実しています。興山丸の外観は従来のセメントタンカーの機能美を踏襲したものですが、その中身は世界最先端の技術を満載したハイテクスーパーエコシップとなっています。

全長160メートルの巨大な船体にスカイブルーのイメージカラーをまとったスタイリッシュな興山丸はセメント輸送トレーラートラック1,000台分に相当する最大2万トンのセメントを積載し、福岡県(苅田)、山口県(宇部)から東京(港区)へセメントを輸送し、首都圏のインフラ整備並びに東北地方の復興による旺盛な需要を支えています。

興山丸はハイブリッド船という特長を活かして、舵と一体化した電気モーターによってきめ細かな操船制御が可能です。その場で360度旋回したり、真横へ航行したりするなどこれまでの大型貨物船では不可能だった動きを可能にし、他の大型船が狭い港の中でタグボートの力を借りながら四苦八苦している横で、自力であっという間に離着桟してしまう光景は船舶輸送の未来さえも感じてしまいます。

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