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「翼」第9号:環境安全部だより


環境安全部だより 生物多様性への取り組み 鉱山を美しい森に復活させて次の世代に伝える

苅田鉱山「様々な樹木が茂り始め、自然を取り戻しつつある石灰石鉱山」植樹の様子 苅田鉱山「様々な樹木が茂り始め、自然を取り戻しつつある石灰石鉱山」植樹の様子

日本は世界第1位のうなぎ消費国で昨年の年間消費量は5万トンに達しました。日本人が縄文時代から食べ続けているうなぎは日本の食文化において欠くことのできない食材です。そんな中、2014年にニホンウナギが国際自然保護連合によって絶滅危惧種の指定を受けたことに衝撃を受けた方も多いのではないでしょうか。
生物界全体に目を転じると2012年にはニホンカワウソの絶滅宣言が出され、最近ではキリンもいくつかの種が絶滅寸前の状態になっていることが遺伝子解析で分かりました。生物の絶滅速度は急激に加速しており、地球上に3,000万種といわれる多様な生きものの中から毎日400種もの生物が絶滅しているとの推計もあります。
そんな時代にあって、UBEグループはこの美しい地球を次の世代に伝えるために地球環境保全への積極的な対応を企業の基本理念の1つとして掲げ、生物多様性、つまり美しい自然環境と、そこで生活する生きものたちの多様性を守ることに積極的に取り組んでいます。その一例がセメント主原料の石灰石を採掘した後の鉱山の緑化です。
日本国内の山地は戦中から高度成長期にかけての乱開発によって、日本古来の美しい森の姿を失い、多くがスギやヒノキの人工林となりました。これらの植林された森は花粉症の原因となって大きな社会問題を引き起こしているだけでなく、生物多様性も失わせてしまいました。UBEが開発している石灰石鉱山も多くが開発前はそのような寂しい人工林でした。UBEはそこから産業的価値の高い石灰石を切り出した後、本来の日本の森の姿を回復させるため、森林に適した表土で採掘現場を覆い、そこにクヌギのような広葉樹を植林することによって開発前よりも美しい、生物多様性に富んだあるべき日本の森の姿の回復に取り組んでいます。
開発後の鉱山が美しい森となってそこに多くの野生生物が暮らし始め、子供たちが昆虫採集やどんぐり拾いに熱中する、そんな豊かな自然が戻ってくることを私たち自身も皆楽しみにしています。