UBEグループ人材マネジメント指針
私たちUBEグループは、企業価値の向上と社員の最大の幸福を実現するため、ここに人材マネジメント指針を定めます。
この指針は、UBEグループの人材について共通の価値観を表すものです。UBEグループの各社にはそれぞれの規則、慣習や人事制度がありますが、この指針はUBEグループの人材マネジメントにおける普遍的な考え方として、全世界のUBEグループ企業に適用されます。
- (1)人材の多様性を重視し、それぞれの個性を尊重します。
- (2)社員の創造性と自主性を引き出し、モチベーションを高めます。
- (3)すべての社員に、専門能力を磨くための機会を提供します。
- (4)公正な評価と報酬を目指します。
- (5)多様な働き方を受容し、働きやすい職場環境の維持、向上を図ります。
人事制度
基本的な考え方
UBEでは、社員に期待する役割を明確にし、個人の努力や成果が公平に評価される人事制度を導入しています。これによって、社員一人ひとりが自身のすべきことを理解し、やりがい・働きがいをもって仕事に取り組むことができる職場づくりを目指しています。

人材育成
UBEでは、幅広い事業やグローバル化が進む環境で活躍できる人材を育成するため、(1)OJT(On the Job Training)、(2)OFF-JT(Off the Job Training: 集合研修など)、(3)自己啓発支援制度を充実させるとともに、UBEで働く人すべてが職務を通じてそれぞれの能力を十分に発揮できるよう人材育成に積極的に取り組んでいます。
具体的には、社員のキャリア開発を支援するため、毎年作成している「キャリア開発シート」を基に、伸ばすべき能力や自己の今後のキャリアのあり方について上司と面談する機会を設けています。また、幅広い視野を持ち、専門性の幅を広げるために社員の適性を考慮したジョブローテーションを実施しています。集合研修を中心とするOFF-JTについても、外部環境の変化を反映しつつ、入社後に各階層で求める能力を勘案した研修プログラムを実施しています。自己啓発についても通信教育や社内外の語学講座など、さまざまなプログラムを用意して社員の能力向上を支援しています。
こうしたキャリア開発支援を充実させることで社員の定着にも寄与するよう取り組んでいます。特に若年層の定着率を意識し、若手社員が自己の成長と職務のやりがいを感じられるように、将来のUBEを担う人材の育成を進めています。
研修体系概要

主な研修実績(2019年度)
研修名 | 対象範囲 | 受講人数(人) | 一人あたり平均研修時間(時間) |
---|---|---|---|
階層別研修 | |||
管理職研修 | 連結 | 227 | 22.2 |
マネジメント基礎研修 | 連結 | 54 | 16 |
総合職研修 | 単体 | 168 | 40.5 |
基幹職研修 | 単体 | 223 | 30.6 |
テーマ別研修 | |||
エルダー研修 | 単体 | 34 | 8 |
リフレッシュ研修 | 単体 | 98 | 8 |
グローバル研修 | |||
異文化対応研修 | 単体 | 29 | 8 |
グローバルビジネスリーダー研修 | 連結 | 17 | 104 |
海外MBA派遣 | 単体 | 2 | |
グループ会社新任役員研修 | 連結 | 13 | 16 |
グローバル人材育成の強化
各事業で海外展開が拡大していることから、グローバルで活躍できる人材の育成を積極的に進めています。そのポイントは、(1)グローバルビジネスリーダーの育成、(2)海外経験機会の拡充、(3)異文化対応能力の強化、(4)語学力の底上げです。
海外UBEグループとの人材交流も積極的に進めています。合同で研修を行うほか、若手社員をトレーニーとして、相互に派遣、受入れを行い、他国での勤務を実際に経験することにより、グローバルマインドを持った社員の育成を行っています。
ダイバーシティ
基本的な考え方
UBEは、ダイバーシティを重要な経営施策の一つと位置づけ、多様な個性と価値観を尊重し、創造性とチャレンジ精神に富んだ企業風土づくりに取り組んでいます。
2013年10月に人事部内にダイバーシティ推進の専任組織を設置し、人材と働き方の多様化を推進しています。
人材の多様化への取り組み
UBEでは、将来の労働人口の減少と事業環境の変化を見据え、多様な人材の安定的な雇用に努めています。
経歴、国籍、性別などにかかわらず、多様な能力を持った人材を募集・採用するとともに、経営陣自ら社員に語りかけ、経営トップとの意見交換会や労使協議会で社員と経営陣の距離を縮めることでエンゲージメントを高め、職場で社員一人ひとりがその能力を活かし、やりがい、働きがいを持って仕事に取り組むことができる職場づくりを目指しています。
社員のデータ (2020年3月末現在)
従業員人数(人) (構成比%) |
うち、管理職(人) (構成比%) |
平均年齢 (歳) |
平均勤続年 (年) |
|||
---|---|---|---|---|---|---|
男性 | 3,060 | 91.9% | 875 |
97.4% | 41.9 | 16.0 |
女性 | 269 | 8.1% | 23 | 2.6% | 39.8 | 14.8 |
合計(平均) | 3,329 | 100.0% | 898 | 100.0% | 41.7 | 15.9 |
採用の状況
年度 | 2017 | 2018 | 2019 | |||
---|---|---|---|---|---|---|
新卒採用者数(総合職) | 46 | (10) | 37 | (9) | 47 | (8) |
新卒採用者数(基幹職) | 63 | (9) | 30 | (2) | 56 | (8) |
キャリア採用者数 | 12 | (1) | 58 | (3) | 50 | (6) |
障がい者採用者数 | 2 | (1) | 2 | (0) | 3 | (2) |
外国人採用者数 | 2 | (2) | 1 | (1) | 1 | (0) |
()内は女性の採用者数
女性の活躍推進
2020年3月末現在、社員の女性比率は8.1%(前年度7.5%)、管理職の女性比率は2.6%(前年度2.4%)です。女性比率の増加に合わせて、工場や海外で活躍する社員も増えており、貴重な戦力として各職場で欠かせない存在になっています。また、ほとんどの女性社員が出産後、育児休職を経て職場復帰し、子育てと仕事を両立させている社員も男女を問わず年々増えており、業務の効率化や働き方の見直しなど、職場における改革のけん引役になっています。
女性活躍推進法に基づき策定した2019年度から3ヵ年の行動計画では、より柔軟な働き方の実現と、女性の採用と活躍の場の拡大に取り組んでいます。
外国人人材の活用
グローバル化が進む中、異なる価値観や異文化での経験を活用するため、海外拠点と合同で実施しているグローバルビジネスリーダー研修を日本、タイ、スペインの現地開催を含めた研修に改訂して海外UBEグループとの人材交流を拡大しています。さらに、日本国内においても外国人を毎年採用するとともに、海外拠点からの人材受入れなどの交流を積極的に行っています。
シニア人材の活用
UBEは、60歳で定年を迎えた社員が定年退職後もこれまでの経験によって培ってきたノウハウとスキルをいかんなく発揮し、安心して働き続けることができるように再雇用制度を設けています。2019年度は定年退職者の85.7%が再雇用され、UBEグループ内で活躍しています。役割や処遇を見直し、より意欲的に働くことができるよう環境整備を進めています。
障がい者雇用
UBEグループは、障がい者雇用に積極的に取り組んでいます。「UBEグループ障がい者雇用支援ネットワーク」を組織し、障がい者雇用を推進するため1991年に設立した特例子会社㈲リベルタス興産が蓄積したノウハウを活用して、グループ全体で障がい者の雇用と職場定着に取り組んでいます。
また、㈲リベルタス興産は、地元の宇部市において、行政、支援機関、学校、企業で構成される「障がい者就労支援ネットワーク会議」や、その下位組織である「企業部会」の中心メンバーとして、地域とともに雇用推進や障がい者福祉の向上に取り組んでいます。

働き方改革
基本的な考え方
「働き方改革」は重要な経営課題の一つです。生産性の高い働き方を実現するため、ICT活用をはじめ、さまざまな視点から業務を見直すとともに、テレワークの推進やコアタイムのないフレックスタイム勤務制度など、柔軟な働き方ができる制度と環境を整備しています。また、適正な労働時間管理を定めたUBEグループ人権指針の下、長時間労働の是正のため、深夜・休日のメール送信禁止やパソコンによる就業時間管理を強化するとともに、業務の見直しや負荷平準化に取り組んでいます。さらに労使でも年間総実労働時間目標を設定し、時間外勤務の削減と年次有給休暇取得促進を図るなど、ワークライフバランスを実現できる職場づくりを目指しています。
UBEの休暇・労働時間の状況
年度 | 単位 | 2017 | 2018 | 2019 | 2025年度目標 |
---|---|---|---|---|---|
有給休暇取得率 | % | 73.7 | 78.2 | 81.3 | 100 |
時間外労働時間(年間平均) | 時間/人 | 194 | 199 | 177 | |
年間総実労働時間 | 時間/人 | 1,987 | 1,980 | 1,949 | 1,900以下 |
ワークライフバランス(仕事と生活の両立支援)
男女問わず、ライフステージに合わせて働き続けていけるよう、制度の整備と制度を利用できる環境づくりに取り組んでいます。
育児休職、介護休職、短時間勤務など、各社員が状況に応じて利用しやすい環境を整えています。
また、UBEは次世代育成支援対策推進法に基づく「一般事業主行動計画」を策定し、社員が仕事と子育てを両立しながら、その能力を十分発揮できるよう雇用環境の整備や、多様な労働条件の整備に取り組んでいます。育児休職の一部を有給化し、男性社員へも育児参画への働きかけを積極的に行っており、子育てに優しい会社として次世代認定マーク(通称:くるみん)を取得しています。2019年度からの3ヵ年の行動計画では、(1)働き方の見直しにつながる施策の実施、(2)次世代育成に関する社会貢献プログラムの拡充、の2つの目標を掲げて取り組んでいます。
ボランティア休暇制度
社員が社会や地域でボランティア活動に参加しやすくするため、積立休暇をボランティア活動に利用できる制度を設けています。
主な両立支援制度
制度・施策 | 内容 | |
---|---|---|
産前・産後休業 *1 | 産前6週間、産後8週間の休暇を取得できる | |
育児休職 | 子が満1歳になる前日まで休職できる(一定の事由に該当する場合は、2歳まで) 休職開始日より7日間は有給 |
|
出生休暇 *2 | 配偶者が出産の場合、4日間の休暇(有給)を取得できる | |
短時間勤務 | 小学生の子の養育、家族の介護、病気、通学等の理由により希望する社員は、1日2時間を限度として勤務時間を短縮できる | |
子の看護休暇 | 小学校3年生までの子を看護するために時間単位で取得できる(該当する子が1人であれば年間5日まで、2人以上は年間10日まで) | |
介護休職 | 家族を介護するために休職できる(通算365日まで) | |
介護休暇 | 家族を介護するために時間単位で取得できる(要介護者が1人であれば年間5日まで、2人以上は年間10日まで) | |
半日年休 | 半日単位で有給休暇を取得できる | |
時間年休 | 1時間単位で有給休暇を取得できる(年間40時間まで) | |
フレックスタイム制度 | 交替勤務者を除く社員に適用する(コアタイムなし) | |
積立休暇 | 失効する年次有給休暇を40日を限度に積立て、病気療養、介護、看護、不妊治療等で利用できる | |
テレワーク制度 | ワークライフバランス向上、生産性向上、BCP対策などを目的として、自宅等でテレワーク勤務できる | |
キャリア再開制度 | 結婚、出産、育児、介護、配偶者の転勤など、やむを得ない事情で退職した社員に復職の機会を提供する |
*1 女性のみ取得可。
*2 男性のみ取得可。
働きやすい職場環境づくり
労働組合とのかかわり
UBEグループは、結社の自由や団体交渉の権利など労働者の基本的権利を尊重しています。
UBEでは、労働者の権利を集大成した労働協約を宇部興産労働組合と締結し、組合員の生活水準向上と労働条件の改善ならびに働きやすい環境整備を目的に、労使による交渉、協議を定期的に重ねています。また、経営トップが参画する労使協議会などの場で、会社の抱える課題や将来の姿について率直な意見交換や協議を重ね、経営方針や経営計画などに関して組合員の理解・浸透を図るとともに、組合員の意見を経営に反映させるなど、健全な労使関係の維持・発展に努めています。
家族の職場見学
日々社員を支えてくれる家族に、普段目にすることがない職場を見学してもらい、社員が日ごろどのような環境で仕事をし、どのように過ごしているかを見てもらう、家族職場(工場)見学会を実施しています。家族に職場に対する理解を深めてもらうことで、家庭内でのコミュニケーションの促進や社員の仕事へのより高いモチベーションの維持につながります。
労働安全衛生
ESGデータ
