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「翼」第14号:環境安全部だより


環境安全部だより 循環型社会に貢献するセメント産業

一般家庭では、マイバッグやごみの分別など、廃棄物の削減や再利用に取り組まれていると思います。産業界でも生産活動などにともない発生した多量な廃棄物や副産物を再利用しています。こういった取り組みは、難しい表現をすると「循環型社会の構築」と呼んでいます。再利用が難しい廃棄物は埋め立て処分となり、廃棄物の再利用の取り組みを進めないと国内のあちこちが処分場だらけになってしまいます。

そこで登場するのがセメント産業で、今回のお話しになります。
セメント工場には廃棄物に含まれる有害物質を分解することができるキルンと呼ばれるセメント製造用高温焼成設備があり、普通は廃棄物として処分するものをセメントの原料やセメントの製造に必要な熱エネルギーとして利用することで埋め立て処分量の削減や循環型社会の構築に貢献しています。その量は年間約2,800万トン(2017年度)で、東京ドームの16個分に相当します。また、通常の廃棄物に加え、災害廃棄物(東日本大震災、熊本地震や台風・豪雨被害)の処理にも積極的に取り組んでいます。 宇部興産では火力発電所で石炭を燃やしたときに出てくる灰(石炭灰)、下水処理場で出てくる汚泥、建設現場から出てくる不要な土、いらなくなったプラスチック、廃木材など年間334万トン(2018年度)もの多様な廃棄物や副産物を宇部市、美祢市、福岡県京都郡苅田町の3つのセメント工場で処理・資源化しています。これからもセメント産業の特徴を生かし「循環型社会の構築」に取り組んでいきます。

宇部セメント工場NSPキルン 宇部セメント工場NSPキルン
(1,450℃の燃焼設備)

セメント製造時の廃棄物利用フロー